事例2 口下手

質問
こんにちは。先日はパーティーの手配をありがとうございました。パーティーに行って来たんですが、僕は口下手でうまく話が出来ませんでした。どのような話題だと盛り上がるのでしょうか。教えて下さい。
回答
お 名 前:○○ ○○ 様
会員番号:************
受 付 日:2004/12/06
回 答 日:2004/12/10
ご 質 問:口下手でうまく話ができない。どのような話題だと盛り上がるのか
口下手には2種類あるように思います。

(1)あまり社交的ではない
(2)話術が上手ではない

(1)のタイプはこういう人です。ネクラではないけれども、おとなしい控えめな性格で、たくさんの人が集まる場所で自分から積極的に話すことがない人です。かといって、会話を台無しにしてしまうわけではありません。話の輪の中心になって、ぐいぐい引っ張っていくことが苦手なだけです。
(2)は、こんなタイプの人です。頭の中で考えていることと、それを口に出して喋るという動作が、微妙に連携していない人です。いざ言おうと思ってもタイミングをずらしてしまう。舌がもつれて言葉につまる。結果、緊張してあがってしまう。頭が良くても、こういう話し下手な人はたくさんいます。むしろ頭で考えていることをそっくり表現できる人のほうが少ないかもしれません。

○○さんはご自分で口下手だとおっしゃっていますが、どちらかに思いあたることはありますか? パーティーに意欲的に参加される方ですから、(2)のタイプでしょうか。さて、「どのような話題だと盛り上がるのでしょうか」というご質問ですが、会話の盛り上がりは話題もさることながら、別の要因もあると思うんです。それらを一緒に考えてみたいと思います。


■ 相手をオープンハートにさせる

会話を盛りあげるためには、自分ひとりが喋ってもしかたがありません。相手もこちらのペースにのってくる。要するに、相手が心を開いてくれることが大事です。反対に心を閉ざしている場合は、おざなりの返事しかかえってこないでしょう。「こんなに話しかけているのに、ちっとものってくれない」と思うことはありませんか? そういうときは、相手が心を開いていない状態にほかなりません。じゃあどうしたら、相手をオープンハートにできるかです。

D・カーネギー著『人を動かす』(創元社)という本があります。この本の中に「人に好かれる6つの法則」が書かれています。紹介してみましょう。

・原則1 誠実な関心を寄せる
・原則2 笑顔を忘れない
・原則3 名前を覚える
・原則4 聞き手にまわる
・原則5 関心のありかを見抜く
・原則6 心からほめる

全部あたりまえのように思えても、常に意識しているわけではありませんから、つい忘れがちなことばかりです。肝心なのは自分を中心に考えないこと。相手に関心を寄せて、相手の気持を最優先に考えること。会話の最初はいつでも名前で呼びかけること。人称を省略しても会話は成立しますが、「○○さん」といえば、○○さんは自分に対して話をしているのだなと認識するものです。ほめるとは、けっしてお世辞ではありません。何か優れているところを誉めてあげるのは、相手に重要感をあたえるという意味があります。


■ 聞き上手になる

お笑いタレントにもありがちですが、話し好きな人は、えてして他人の話を聞きたがりません。そういう人は、自分が次に喋ることだけを考えている癖があります。耳がお留守なのです。話題をばんばん提供して自分のペースで盛りあがろうという気持はわかりますが、聞いているほうがときに疲れてしまうこともあります。
また、会話には "間" が必要です。たとえば、漫才コンビでは、ボケ役が一方的に喋って、ツッコミ役が聞き上手となり、合い間に絶妙な言葉をさしはさむから効果抜群なのです。また漫才コンビの人たちにとっては、観客が熱心に聞いてくれていて、タイミングよく笑いを入れてくれるから話しやすいわけです。ですから、ペースメーカーとなるには、そういう雰囲気がつくれるようになればいいのです。

<話し上手は聞き上手> といいますよね。たとえ口下手で、自分から話題を提供することができなくても、聞き上手になって、タイミングよく返すことができれば、十分に楽しい会話になると思います。相手が気持よく喋れるようにするには、

・相手にたくさん喋らせて、相手の情報をいち早くキャッチする。
・会話の流れをよどみなくするために、適度なあいづちをうつ。
・相手の話を聞いているときは、表情を豊かにする。
・相手が言葉に詰まったら、その前に相手が喋った話題を繰り返す。

といったことにも留意されるとよろしいのではないでしょうか。


■ 話す訓練をする

 でもやっぱり、話術をもう少し身につけたいということであれば、トレーニングしかないと思います。
条件反射ではありませんが、口が達者な人というのは反射神経というか、ある種の運動神経が優れているのだと思います。<話をふられると言葉につまってしまう> という人も多くいますが、すばやい切り返しができるようになるには、やはり訓練しかありません。
 ヤクザのイチャモンをつける訓練というのはご存じでしょうか。ヤクザはハッタリが命です。まず、口喧嘩で相手を威圧できなかったら気合い負けをします。だからヤクザは日頃から訓練をしているらしいのです。それも誰かを相手に文句の言い合いをしているわけではなく、テレビやラジオの中の人物を相手に、文句を返すことを延々とやっているというのです。少しさむい気もしますが、大変な努力ですね。
 べつに何でもいいのです。小説でもいいし、歌詞でもいいし、コントでもいいでしょう。それを声に出して喋ってみる。アナウンサーや役者が発声練習をするのと同じです。
最近は、齋藤孝さんの『声にだして読みたい日本語』という本がベストセラーになっていますね。声に出して読むことは、右脳を鍛えるのにいいそうですが、単純に発声練習ができるのと同時に、感情表現の練習にも役立つと思います。下記の本などもあわせてご覧になってみてはいかがでしょうか。

●『質問力―話し上手はここがちがう』
   齋藤孝 筑摩書房 1260円

●『会話じょうずの裏ワザ・隠しワザ―話し上手・聞き上手になれる超実用本』
ライフエキスパート編 KAWADE夢文庫 500円


■ 話のネタを豊富にする

さて最後に、「どういう話題がいいか?」についてですが、その場の雰囲気というものもありますから、これだ!というのはいえません。
やはり、日頃から話のネタを豊富にしておくことが大事です。引き出しは多いほど、話題にはこと欠きません。「心理テスト」「頭の体操」「クイズ」のネタ、あるいは「今日は何の日」や世の中の「ウンチク」話を仕込んでおくと、いざというときに使えると思います。
 また、<笑い> は人間関係の潤滑油になります。ユーモアやジョークのネタも持っていると、言葉の端々に使えまね。好きなお笑いタレントのネタ本なんかも読んでみてはどうでしょう。けっこう使えるネタがありますよ。お笑い芸人のプロではありませんから、どんどん盗んじゃいましょう。みんなが知っている流行りのネタなら、共通の話題にもなるはずです。
 以下の本をご紹介しますので参考になさってみてください。最初の2冊はいわゆる「ウンチク」、『爆笑新聞』は「今日は何の日」、『言いまつがい』はタイトルどおり言い間違い勘違いのオンパレード、『ヒロシです。』はネタ集です。

●『誰かについしゃべりたくなる話のネタ・雑学の本』
日本雑学研究会 幻冬舎文庫 800円

●『それマジ!?―話のネタに困ったとき読む本』
綱島理友 講談社文庫 800円

 ●『爆笑新聞』
   爆笑問題 角川文庫 500円

●『言いまつがい』
   糸井重里編 東京糸井重里事務所 1575円

●『ヒロシです。』
ヒロシ 扶桑社 1260円


会話はコミュニケーションですから、楽しく会話がはずんで、そこにいるみんながハッピーになることが大事ですね。もちろん、○○さんがパーティーで知り合った女性と親しくなれることが一番ハッピーです。次のパーティーはいつですか? がんばってください。リクエストをありがとうございました。

      トップページ | コンセプト | 利用の流れ| リクエスト・回答例

Copyright SOC,Inc. All rights reserved 2008.